新宿駅新南口広場におけるレベリングシステムの適用
概要
新宿駅は世界で最も利用者の多い駅(1日350万人以上が利用)であり、その「新南口広場」は極めて多くの歩行者が行き交う場所です。
この高架構造の広場には、3つの重要な課題がありました。
1. 線路上部における重量の徹底的な抑制 広場は多数の線路、高圧架線、ホームの直上に位置しているため、高架構造にかかる重量をグラム単位で慎重に計算する必要がありました。
セメントモルタル下地やタイルの接着といった従来の「湿式」工法を採用した場合、下部の鉄骨構造に数千トンもの追加荷重(死荷重)がかかってしまうことになります。
ペデスタル(支持脚)による解決策:乾式工法による二重床システムとして、高強度ポリプロピレン(PP)製のペデスタルが採用されました。
これによりモルタルが不要となり、高架構造の重量を60%以上削減できました。
2. シームレスなアクセシビリティと排水設備の隠蔽 国際的な大都市の玄関口として、広場には完全なバリアフリー設計が求められました。
つまり、舗装面は段差のない完全に平坦なものである必要があり、従来の排水溝や金属製グレーチング(白杖、ハイヒール、ベビーカーの車輪などが挟まる危険があるもの)は排除しなければなりませんでした。
ペデスタルによる解決策:構造躯体側には排水のために2〜3%の勾配を設けつつ、施工時には自動勾配調整機能(セルフレベリング機能)付きのペデスタルを使用することで、舗装材の表面を完全に平坦に仕上げました。
雨水は舗装材の目地(2〜3mmの隙間)から直接排水されるため、表面に排水溝を設ける必要がなくなりました。
3. 列車騒音に対する吸音・制振対策 広場の直下を頻繁に列車が通過するため、絶えず低周波の振動や騒音が発生しています。
ペデスタルによる解決策:ペデスタルの上下両端に、特殊な合成ゴム製の制振パッド(防振ゴム)を設置しました。
自動車のショックアブソーバーのように機能するこれらのパッドは、列車からの振動による舗装材の緩みを防ぐとともに、歩行者の歩行音や荷物を引きずる際の衝撃音を吸収します。
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